昨日の深夜ですが、イタリア1部(セリエA)のボローニャが元アビスパ福岡で現ベルギー1部のシントトロイデンに所属する日本代表DF冨安健洋の獲得を発表しました。


2017年の名古屋との昇格プレーオフ決勝を間近で見た私としてはシモビッチを完ぺきに抑えた冨安の姿を今でも思い浮かぶことができます。この試合が冨安を生で見た最後の試合となりましたが、それから2年弱で日本代表そしてベルギー経由でイタリア移籍と彼の成長に驚くばかりです。


しかも前所属となったシントトロイデンとアビスパの提携の会見に参加したり、移籍が決まった今日の雁ノ巣にも顔を出して練習参加してくれる冨安のアビスパ孝行ぶりには、頭が下がります。冨安のアビスパ孝行はまだ終わりません。彼が今回イタリア移籍(海外移籍)を果たしたということでアビスパにもその恩恵を受けることができます。


<連帯貢献金>
アビスパが恩恵を受けるのはこの『連帯貢献金』という制度です。

移籍金を伴う海外移籍を行った際に、移籍金の5%を『連帯貢献金』としてその選手の育成にかかわったクラブ(12歳から23歳まで所属したクラブ)に分配される制度です。*レンタル移籍で所属したクラブにも分配されます。

内訳は下記のようになります。
12歳~15歳まで所属したクラブ→移籍金の0.25%
16歳~23歳まで所属したクラブ→移籍金の0.5%

冨安の場合は
12歳→三筑キッカーズ→0.25%
13歳→アビスパ福岡U15→0.25%
14歳→アビスパ福岡U15→0.25%
15歳→アビスパ福岡U15→0.25%
16歳→アビスパ福岡U18→0.5%
17歳→アビスパ福岡U18(二種登録)→0.5%
18歳→アビスパ福岡→0.5%
19歳→アビスパ福岡→0.5%


おそらくこれで合っているかと。
整理すると12歳の時に所属していた三筑キッカーズが移籍金の0.25%そして13歳からベルギーへ移籍する19歳まで所属したアビスパは移籍金の2.75%を連帯貢献金として受け取る権利が発生します。なおこの連帯貢献金は権利のあるクラブが自ら請求しないともらえません。期限もあるようでフロントは大変でしょうけどもしっかりと請求してもらいたいと思います。


では肝心の移籍金ですが、ボローニャからシントトロイデンへ支払われた移籍金の正確な金額はわかりませんが、いろんな情報を見ると

600万ユーロ(約7億3000万円)の場合は連帯貢献金→約2000万円
700万ユーロ(約8億5000万円)の場合は連帯貢献金→約2300万円
800万ユーロ(約9億7000万円)の場合は連帯貢献金→約2600万円
900万ユーロ(約11億5000万円)の場合は連帯貢献金→約3100万円


だいたいこのあたりでしょうか。冨安の移籍のお陰でアビスパに約2000万円~約3000万円のお金が入ります。しかも冨安はまだ20歳です。今回5年契約ということですが、満了でもまだ25歳。さらなる活躍をすれば、イタリアの他のクラブや他の国に移籍する可能性もあります。移籍金を伴う海外移籍が発生するたびにアビスパに連帯貢献金が入るということで冨安様様です(泣)


連帯貢献金でいうと、ポルトガルのポルティモエンセからカタールのアル・ドゥハイルへ。さらにアル・ドゥハイルからポルトガルのポルトへ移籍した中島翔哉も2回の移籍でそれぞれ連帯貢献金が発生していますし、中島のみならず鹿島からポルティモエンセに今回移籍した安西幸輝もですが、いずれも東京Vユース出身ということでこの2名の移籍だけでも東京Vは結構な連帯貢献金を受け取れます。


今回の連帯貢献金をアビスパがどのように使うのか分かりません(まだ手にしてもいません)トップチームは降格の危機でで苦しいですが、第2、第3の冨安を輩出するためにもユース等の育成強化などに使ってもらいたいものです。


話は大きくそれましたが、イタリアへ旅立つ冨安には是非とも活躍してもらって、特にユベントスを倒してもらいたいなと切に願っております(笑)